副腎皮質の主な機能は、代謝、水分バランス、ストレス応答に重要な役割を果たす多くのステロイドホルモンを合成することです。これらは主に、糖質コルチコイド(例:コルチゾール)、鉱質コルチコイド(例:アルドステロン)、および性ホルモン(例:アンドロゲン)の3つのグループに分類されます。
コルチゾールは主要な糖質コルチコイドです。コルチゾールの産生量および分泌のタイミングは、主に下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって調節されています。さらにACTHの分泌は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)によって制御されています。ACTHの刺激を受けて、コルチゾールの分泌は日内リズム(サーカディアンリズム)に従い、血中濃度は早朝に最も高く、その後日中にかけて徐々に低下します。
コルチゾールは、糖新生(グルコースの合成)を促進することで血糖値を上昇させ、糖代謝を調節します。また、脂肪の動員を促進し、抗炎症作用を通じて免疫応答を調節する働きもあります。
体内の塩分および水分バランスの主要な調節因子であるアルドステロンの合成は、主に血中のナトリウムおよびカリウム濃度、ならびにレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)によって制御されています。
副腎皮質におけるホルモン産生は、さまざまな疾患や状態によって障害されることがあり、その結果としてホルモンの過剰産生または産生低下が生じる場合があります。
コルチゾールの生理機能は、異常に高い状態または異常に低い状態のいずれかに変化する可能性があります。
コルチゾール濃度の異常低下(低コルチゾール症)は、副腎不全の特徴であり、倦怠感、体重減少、筋力低下などの症状を引き起こします。副腎不全のスクリーニングの第一段階として、血中コルチゾール濃度の測定が行われます。コルチゾール濃度の低下が認められる場合、副腎不全の可能性が示唆されます。続いてACTH濃度を測定することで、低コルチゾール症が副腎自体の機能障害(原発性副腎不全:アジソン病)によるものか、あるいはACTH分泌不足(続発性副腎不全)によるものかを評価することができます。
最も一般的な原発性副腎不全であるアジソン病では、副腎皮質のホルモン産生細胞が破壊され、その結果、複数のホルモンの合成が障害されます。そのため、鉱質コルチコイド欠乏の有無を評価する補助としてアルドステロンの測定が推奨されます。
また、よりまれな原発性副腎不全の一つとして、先天的な酵素欠損によりコルチゾール産生が障害される疾患があります。この疾患は先天性副腎過形成(CAH)と呼ばれ、コルチゾール前駆体である17-OHプロゲステロンの蓄積を特徴とします。
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