重症筋無力症(MG)およびランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)の主な原因は、自己抗体による神経筋接合部での刺激伝達の障害であり、筋力低下などの症状がみられる。ニコチン性アセチルコリン受容体に対する抗体である抗AChR抗体は、全身型MGの85〜90%で検出される。抗MuSK抗体陽性MGは、顔面や頚部の筋力低下、嚥下障害、構音障害が症状の中心で、突然の呼吸困難(クリーゼ)を引き起こすことがあるため、早期診断と適切な治療介入が需要である。
MGの診断には、臨床症状と神経生理学的検査(反復刺激試験、単一線維筋電図など)に加え、血清中の自己抗体の測定が重要である。特異的自己抗体の同定は病型分類や治療選択の手がかりとなる。抗AChR抗体は最も検出頻度が高く、従来は放射免疫測定法(RIA)が用いられていたが、近年では安全性・再現性・自動化の観点から酵素免疫測定法(ELISA)への移行が進んでいる。
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抗AChR抗体の測定ELISA法へ
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