ヘルペスウイルス感染症

臨床情報

ヘルペスウイルス科には100種類以上のウイルスが知られており、そのうち8種類がヒトに感染症を引き起こすことが確認されています。これらはいわゆるヒトヘルペスウイルス（HHV）であり、以下の病原体が含まれます：

• 単純ヘルペスウイルス1型および2型（HSV-1、HSV-2）
• 水痘帯状疱疹ウイルス（VZV）
• エプスタイン・バーウイルス（EBV）
• サイトメガロウイルス（CMV）
• ヒトヘルペスウイルス6型および7型（HHV-6、HHV-7）
• ヒトヘルペスウイルス8型（HHV-8／カポジ肉腫関連ウイルス）

これらのウイルスは構造的に類似していますが、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、水痘、帯状疱疹、伝染性単核球症（キス病）、あるいは特定の悪性腫瘍など、きわめて多様な疾患を引き起こします。

妊娠中の特定のヘルペスウイルス初感染は、胎児に重度の損傷を与えたり、流産・死産につながることもあります。現在、ワクチンが存在するのはVZVのみです。

初感染後（多くの場合は無症候性）、ヘルペスウイルスは体内に生涯潜伏し、免疫機能の低下などを契機として再活性化し、再び症状を引き起こすことがあります。

検査

ヘルペスウイルス感染症の検査は、直接的検出法と間接的検出法のいずれか、またはその組み合わせに基づいて行われます。

直接的検出法には、ウイルス培養やPCRによるウイルス核酸の検出などが含まれ、急性感染症の診断や免疫不全患者の評価において特に重要です。検体には、水疱液、皮膚または粘膜の塗抹標本、血液、髄液（CSF）、および気管支肺胞洗浄液などが用いられます。

一方、血清、血漿、またはCSF中のウイルス特異的抗体の検出は、間接的検出法にあたります。抗体検出は、感染したウイルスの種類を特定するだけでなく、初感染と再活性化（再感染）の検出にも有用です。

EUROIMMUNは、抗体検出（ELISA、IIFTなど）と病原体直接検出（PCR、抗原検出）の両方を含む、ヘルペスウイルス感染症の包括的な診断ソリューションを提供しています。