HLA-B57:01の遺伝子検査は、HIV治療薬アバカビルによる過敏症反応を予防する目的で実施されます。約8%の人々がHLA-B57:01対立遺伝子を保有しており、その頻度は日本人で0.1%、南アフリカ人で19.6%の範囲にあります。この対立遺伝子を保有し、アバカビルで治療を受けているHIV感染者の8〜61%が、6週間以内に薬剤過敏症を発症すると推定されています。
アバカビル過敏症反応(HSR)の主な症状は、発熱、発疹、そう痒です。これらに加えて、特に再投与時には、胃腸および呼吸器の症状、関節痛、肝機能や腎機能値の上昇がみられることもあり、症状が進行すると致命的となる場合もあります。
そのため、すべてのHIV感染患者に対して、民族に関係なく、アバカビル治療開始前にHLA-B57:01対立遺伝子の有無を検査することが推奨されます。
EUROArray HLA-B57:01 Directは、ヒトゲノムDNA中のHLA-B57:01対立遺伝子を迅速かつ簡便に特定できる分子遺伝学的検査です。現在世界中で知られているすべてのHLA-B57:01対立遺伝子を、単一の検査で検出することが可能であり、結果はEUROArrayScanソフトウェアにより自動的に解析されます。
ダイレクト法を採用しているため、時間とコストのかかるDNA抽出を行うことなく、血液サンプルを直接使用できます。
Filter techniques: